月が綺麗だからなんだって話で

アセクシャルな人間の雑記

乗り換え駅のホーム

今、きみどりのベンチに座って彼を待っている

ふたりが一緒に帰れるときの待ち合わせ場所は、誰にも見つからない、乗り換え駅のはじっこのほう

たぶん見つからない、まだ見つかっていない

 

左手から乗り換えてくる人の波を、私はいつも見つめている(どきどきかわいい女の人来ないかなとおもって見つめるときもある)

でも、彼が現れるのをずっとわくわくして待ってるとおもわれるのはちょっと恥ずかしいので、彼が気づくより前に絶対に私が見つけて、いかにも今気づきましたよというような表情をつくる

この表情をころっと変えるのはしばらく一緒に帰れる日が続いたときに鍛えた

彼がいうには、彼の顔を見た瞬間にしっぽをふっているのが見えるらしいのだけれど、断じてそんなことはない

そんなことはない

 

と、ここまで書いた時点で会社の別フロアのおじさんがいた

し、彼のことを見つけたので、おしまい