月が綺麗だからなんだって話で

アセクシャルな人間の雑記

ふたりで暮らすということ

暮らすなら、新しい家がいい。

申し訳ない、今の所を私の住所にはできない。

ごめんなさい、気分を悪くさせて。

 

家を同じにするというのは、ふたりの関係性にまたひとつ深い意味をもたらすことだと思っていて、その瞬間に将来の長い道がそれまでより少し、色濃くなる気がする。上がりこんでいるだけでは、まだ足りないとおもう。同棲を考えた恋人と、同棲まで考えなかった恋人とを比べたら、どんな人でもきっとそこの差がわかるとおもう。

問題は、今私が上がりこんでいる家は、その昔、私の恋人が違う人との将来を見て借りた家だということ。家にはもう、私が前の人を感じるものなんて何もないし(これも散々喧嘩をして捨ててもらった)(こう考えると喧嘩しかしていない)(彼はこんな私でほんとうに平気なのだろうか)、私にとってとても快適な「恋人の家」になっている。暮らしやすい、最高。駅もまあ近いし、会社までも楽だし、お風呂はきれいだし、毎日彼がいるし。超最高、気に入らないわけがない。

ただ、ほんとうにただ一点、この家を借りた時に違う女の子がそこにいたことだけが、「この住所を持っていた女の子がいた」ということだけが、唯一、私がこの家に住所をうつせない理由だ。ほんとうにただそこだけ。それのみ。

そう、ただの嫉妬、でもこればかりはどうにもできない。理解できないならひっくり返して考えてほしい、私が男の人と決めた家で、荷物はもう何もないけれど、そこに住所をうつして暮らしていくとしたら。つらくないかな、私は苦しい。わがまま言わないようにって思っていたけれど、これだけはだめでした。

ほんとうにごめんなさい。

あの時のざっくりとした言葉の裏には、こんなくだらない感情が渦巻いていたのでした。言い訳だけどね。