月が綺麗だからなんだって話で

アセクシャルな人間の雑記

やめるなら今

残り1%のiPhone SE(第2世代)を急いで充電して、33%になったところで沸いたお風呂に持ち込んで、「今日たのしかったな〜」なんて思いながらXをダラダラ見てるうちに31%になって、ああそんなことをしたかったんじゃないと思い出してはてなブログを開いた。

 

去年、夏の始まりから年の終わりまでの半年間で、私のいた部署から片手では収まらないほど社員がいなくなった。それまでは危なさをちらつかせながらも、それぞれの諦めと希望と未来への不安と多忙さが誰のことも逃さず、その場に引き留めていた。誰かの頭を動かすことを阻止していた。

ところが6月、1人のメンバーが突然退職すると決まってから状況は一変。誰かがいなくなることで今まで固く閉まっていた栓が抜け、ありとあらゆる不満やパワハラを留めてきた心が弾けた。残るメンバーの頭には「転職」の文字が色濃く刻まれ、さらなるパワハラを誘発、空気の悪化、やる気の喪失、発想の限界を超えたさまざまな悪いことがこの部署を襲った。

そんなこんなで気づけばかなり多くの人が辞め、辞めた人たちからの明るい新生活の話を聞かされ、「自分はいつ辞めようか」と未来の算段を立てる日が続いていた。

 

私は今の仕事が好きではない。では嫌いかと聞かれると、それほどでもない。好きとは言えないけれど、不幸ではないと思えている。幸せとまでは言わないけれど、不自由はないし割と勝手気ままにやらせてもらえているので居心地は悪くない。とはいえかけているものはない。情熱も愛情もやる気もない。けれど責任感はある。責任感と「私が思いついたことや形にしたもので誰かが楽になるといい」という気持ちはある。その気持ちで毎日仕事をしている。朝起きたら「今日は休んじゃおうかな」と思う日が2週間に1回ある。でも「そういえばこの仕事を今日やっておいた方がいいことあるんだ」とか「この話私しかまだ知らないからいないと困るかもしれないな」と思って、気がついたら家を出られている。電車に乗りながら「この生活何年続けるのかな」と思うことが1ヶ月に1回ある。でも「まああと8年後には富豪だし」と思ってうたた寝に戻ることができる。仕事が少し暇で「今日私いる意味ある?」と思う日がたまにある。でも「またしばらくしたら忙しいんだからこのくらいいよね」と思って同僚とおしゃべりができる。

 

そう、私は辞めたいと思っていない。

 

同僚に「あなたはもっとお給料をもらっていいくらいの仕事をしている」とか「あなたをもっと評価してくれる会社がある」とか「ここにい続けるのはもったいない」とか、この半年で言われすぎた言葉の数々で脳みその表面を塗りつぶしていたけれど、私は今のところこの会社を辞めたいなんて思っていない。「もっと評価してくれ」「もっと給料を上げろ」とは思っているけれども。

辞めたくはないのだ。

「みんなうちに来てください!とっても素敵な会社ですよ!」と大手を振って言えるようなところではないし、役員は揃いも揃って不倫に忙しいし、不倫してる人間同士が仲良くクソみたいなネットワークを構築して毎日仕事にならないし、豪華なビルに会社があるせいで昼間はコンビニご飯しか食べてないし、忙しい部署と暇な部署の差が激しすぎるし、毎日無料で自販機が使えてアイスコーヒーも入れられてお菓子も食べられるのがなんだってんだだし、まともなマネージャーなんか2人くらいしかいないし、「セクハラがないだけマシ」とかこのご時世当たり前だろうクソが!だし、こんなに働いて出した売り上げは全部偉い人たちの懐に入っていって私たちの元には配られないし、売り上げ規模の割にボーナスないし。不満だけで飲み会31回アルコールなしでできるくらいの思いがあるけれど、それでも私はこの会社のことが嫌いではない。みんな「人はいいのに」と言って辞めていった。確かにいい人は多いし、人に対してのストレスは今までの会社に比べたら随分少ない。ただ、ストレスを抱えさせてくる人がこれまた強烈で、私は2人ぶっ殺したくて、1人砂漠に送り込みたくて、1人アマゾンに放置したい。ぶっ殺したいうちの1人にはあえて仲良くすることでストレスを発散していて、砂漠とアマゾンは「無理!声を聞きたくない!」というタイミングが来たら最近お気に入りの避難スペースで仕事をしている。そして辞めていった人たちの原因は全部「人」だった。

 

私は今辞めたくはない。まだやれることがある。だけど周りには「そろそろ辞めるでしょ?」と思われている。それでいい。それでいいけれど、私はそれに乗っかりたくない。まだ辞めない。辞める決定的な理由もない。

とか言って再来週には転職先を探して面接を受けているかもしれないけれど、まだひとつだけ「やるとそれなりの人数の誰かが楽になる仕事」があるから、今日の私はまだ辞めない。辞めようと思えばいつでも辞められるから、まだ私が「やろう」と思っているうちは、まだ辞めないでいようと思う。

 

MOROHA「日程確定、開催確定TOUR×MOROHA V RELEASE TOUR」FINAL

最後に披露されたふたつの新曲を見て、そんなことを思った。

 

 

 

 

 

だけど辞めたかったら辞めていいよ。

その時が「今」だよ、私。