月が綺麗だからなんだって話で

アセクシャルな人間の雑記

2017-01-01から1年間の記事一覧

愛は花、君はその種子

"I say love it is a flower, and you its only seed" いつかそんなことを本当におもうのかと、私には縁のないはなしではないかと、期待をしていなかった。でも、いつかそんなことをおもいたいと、私にも起こるはなしであってほしいと、実は願っていた。 "Wh…

あなたのその左の目

彼の目が好き。 嘘のつけない目。でも、人に信じ込ませることの得意な目。 だれかの左目を見ながらおしゃべりしていたのは、彼が初めてだった。この人はいま何を考えているのかな、私の話をきいてどう感じているのかな、私のことをどうおもっているのかな。…

ふたりで暮らすということ

暮らすなら、新しい家がいい。 申し訳ない、今の所を私の住所にはできない。 ごめんなさい、気分を悪くさせて。 家を同じにするというのは、ふたりの関係性にまたひとつ深い意味をもたらすことだと思っていて、その瞬間に将来の長い道がそれまでより少し、色…

好きなのに 好きだから

昨日、そこそこ苦しい喧嘩をした。とはいってもほぼ私が一方的に不満をぶつけただけだったけれど。はじめて、「好きなのにつらい」とおもった。今までの喧嘩ではそこまでおもったことはなかったのだけれど、昨日はじめてそう感じた。 「好きなのにつらい」と…

ぼやけた世界

逆光だったのもある、それでも輪郭以外見えなかった。 すこし暗めの、どのパーツも見えない顔だった。 目の前には輪郭のない建物と、丸くぼけたあかりと、うっすら形がわかるアパートの階段、全部がぼやけていて。はっきり捉えらえるものは、何もなかった。 …

乗り換え駅のホーム

今、きみどりのベンチに座って彼を待っている ふたりが一緒に帰れるときの待ち合わせ場所は、誰にも見つからない、乗り換え駅のはじっこのほう たぶん見つからない、まだ見つかっていない 左手から乗り換えてくる人の波を、私はいつも見つめている(どきどき…

あじさいかわいい

アジサイには大まかに二種、外来種でよく見かける「セイヨウアジサイ」と、本来日本に昔からあった原種「ガクアジサイ」がある。 そこら中にある丸いアジサイがセイヨウアジサイで、つぶつぶを囲むようにして広がるのはガクアジサイ。ちなみにアジサイの花は…

ふわり、とろり

窓を開けて、鼻からすっと空気を入れると、体中にふわりと広がる秋の香り 冷たくて、それでいて少し甘くて、鼻の奥がツンとして、涙が出そうになった もう一度ふわりと充満させると、それは淋しい匂いで、今度は一筋だけ、涙がこぼれ落ちた ころころとした音…

厳しい話をします

あなたが見ると仮定して、私はこれを書きます。 大切な人と一緒にいる上で、「自分」というものはどうやって保っていくのだろう。ひとりでいる時間が長いとなかなかそこが掴みにくいのだけれど、「自分」のどこを変形させて、どこをそのまま残しておけばいい…

たとえば、ふたりが出会わなかったとして

たとえばの話、 たとえば、私たちが出会わなかったとして、それは私がこの会社に入らなかったということ たとえば、私たちが出会わなかったとして、それはあなたがこの会社に入らなかったということ たとえば、私たちが出会わなかったとして、それはふたりの…

ひとり花火の燃えのこり

少し肌寒くなった時期に、長袖のシャツとゆるいパンツをはいて、そこそこ冷たい風が吹き付ける海辺で、花火がしたい。線香花火を。ひとりで。 いかにもメンヘラっぽい思考回路だなと思う。極めつけに、ひとりでは行ききらないのだからどうしようもない。 昔…

そのつづらの大きさは

結論からいくと、確かに恋愛感情は母親のお腹の中に忘れてきているようだけれど、「触れたい」という欲求をともなう愛情は置いてきてはいなかった。 触れたい人がいる。手に籠めたい人がいる。 初めての感覚だった。心が震えっぱなしで、膝がガクつく。この…

おいてきたもの

昔から、なんだかおかしいなぁとは思っていた。お友達と好きな人の話をしていると、私の「好き」は兄弟愛みたいな感じだった。仲の良い男の子に、お兄ちゃんや弟に対して思う大好きを重ねていた気がする。 だから、付き合いたいと思ったことなんて一度もない…